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雑草だと思っていた、カラムシ(苧麻)が糸になるまで

雑草だと思っていた、カラムシ(苧麻)が糸になるまで

いきなりですが、「カラムシ」を知っていますか?

「苧麻(ちょま)」や「ラミー」とも呼ばれる、
イラクサ科の植物です。縄文時代から日本にあり、繊維の材料として栽培されてきた歴史があるそうです。

……と、こうしたことは後から調べて知りました。

私がカラムシに惹かれたきっかけは、数年前。
夫から「カラムシから糸がとれるんだよ!」と聞いたことでした。

それ以来、ずっと気になっていて、「いつかやってみたいなぁ」と思い続けていたのですが、ようやくその“いつか”がやってきました。

今回は、そんなカラムシから糸をとってみた記録を書いてみようと思います。

初めての収穫は、間違えていた

右上の一番背が高いものを収穫しました

最初に収穫したものは、実はカラムシではありませんでした。

葉の形はよく似ていたのですが、茎は木のように硬く、皮を剥ごうとしてもなかなか取れない。
触るとスースーして、素手だと手が荒れてしまいそうな感じです。

「おかしいな?」と思って調べてみると、それは「ウスバギリ」という植物でした。

カラムシと間違えて収穫してしまったのは、ウスバギリでした。

どこにでもあるけれど、なかなかない

カラムシは「どこにでもある植物」と言われています。
けれど、実際に探してみると、これがなかなか見つからない。

田んぼや畑は、農家さんがきれいに管理していて、雑草はきちんと刈られています。

「私は雑草がほしいのに……(笑)」
そう心の中でつぶやいていたところ、なんと自分の家の庭に生えていました。

(やったー!)

夫に「カラムシだけは草刈りしないでね」とお願いして、しばらく育て、大きくなったところで収穫。

大きく育ってくれました!

葉の見た目は、紫蘇にも似ています

収穫から繊維を取り出すまで

根元から10センチほどのところで刈り取り、下から指でつまんで、スーッとスライドすると簡単に葉を落とすことができました。

そのあと、真ん中でポキッと折ると、皮と芯に分けることができます。

(これが、とても楽しい!)

皮だけを残し、芯はそのまま土へ戻しました。

発酵、そして繊維へ

収穫した皮を水に浸し、3日間ほど置きます。
発酵の影響なのか、少し独特な香りがして、色もほんのり茶色に。

きれいな繊維がとれました!

それを取り出して軽く洗い、まな板とヘラで表面を削っていくと緑色の皮の中から、白い繊維が現れました。

この時点で、一本のカラムシから、ほんの少ししか採れない ということが、よくわかります。

とれた繊維を一本ずつに分け、それによりをかけて、糸にしていきます。とにかく、根気のいる作業。

そうして、ようやく糸が完成。

完成した糸の使い道

繊維の収穫から、糸になるまでの工程は、思っていた以上に楽しい時間でした。

さて、使い道はどうしよう。

考えた末、クリスマスツリーのオーナメント用に使うことにしました。

とても細く、か細い糸。
けれど、手をかけた分、喜びはひとしおです。

どこにでも生えている“やっかいもの ”が、こんなふうに新しい形になる。

カラムシは、可能性を秘めた、
とても素敵な植物だなぁと感じました。